伝統的工芸品もややこしい
公開日:
:
最終更新日:2014/05/01
雑学みたいなの
去年、「伝統工芸士ってややこしい」という記事を書きました。
読んでいただくと分かるんですが、ややこしいんです。
「伝統工芸士」で「東京都伝統工芸士」だったり・・
「伝統工芸士」で「埼玉県伝統工芸士」だったり・・・
どっちやねん!って感じなんです(笑)
というわけで、
今回は「伝統工芸品」もややこしいというお話です。
といいますのも、
昨日、「職人に聞く。」のページを作ってたんです。
今回の職人さんは、
「千葉県指定伝統的工芸品」の「関東牛刀」の作り手さん。
ちなみに千葉県指定伝統的工芸品の作り手さんは、3人目です。
1.江戸鼈甲の矢吹さん
2.江戸独楽の太田さん
3.(今回の)関東牛刀の八間川さん
千葉県の場合、
千葉県指定伝統的工芸品を作ることができるのは
千葉県指定の伝統的工芸品製作者だけなんです。
「矢吹さんのべっ甲細工」とか
「太田さんの木地玩具」とか
「八間川さんの関東牛刀」という風に、
作り手と工芸品がセットになっています。
僕が作ったべっ甲細工は、
千葉県指定伝統的工芸品とはいえません。
当たり前ですね。
で、ふと思ったんです。
他の都道府県はどうなんだろ??
「東京都指定伝統的工芸品」とか
「埼玉県指定伝統的工芸品」ってあるのかな?
そういえば、あまり聞いたことがない・・・
でも、調べたらちゃんとありました。
東京都指定の伝統工芸品は41品目。
なぜか、東京都では伝統的工芸品とは呼ばず、
「的」を取って伝統工芸品と呼んでいます。
埼玉県伝統的手工芸品は30品目。
埼玉県でも伝統的工芸品とは呼ばず、
「手」を付けて伝統的手工芸品と呼んでいます。
統一すればいいのに(笑)
ただ、東京も埼玉も
千葉県のような作り手の指定は、特にないみたいなんです。
だとすると、極端な話
誰が作ったものでも「伝統的工芸品」
と呼んでいいことになっちゃいますね。
そんなばかな・・・
今度、都と埼玉県に問い合わせてみようと思います。
※参考までに・・・
■東京都指定の伝統工芸品
1.村山大島紬
2.東京染小紋
3.本場黄八丈
4.江戸木目込人形
5.東京銀器
6.東京手描友禅
7.多摩織
8.東京くみひも
9.江戸漆器
10.江戸鼈甲
11.江戸刷毛
12.東京仏壇
13.江戸つまみ簪
14.東京額縁
15.江戸象牙
16.江戸指物
17.江戸簾
18.江戸更紗
19.東京本染ゆかた
20.江戸和竿
21.江戸衣裳着人形
22.江戸切子
23.江戸押絵羽子板
24.江戸甲冑
25.東京籐工芸
26.東京桐箪笥
27.江戸刺繍
28.江戸木彫刻
29.東京彫金
30.東京打刃物
31.江戸表具
32.東京三味線
33.江戸筆
34.東京無地染
35.東京琴
36.江戸からかみ
37.江戸木版画
38.東京七宝
39.東京手植ブラシ
40.江戸硝子
41.江戸手描提灯
■埼玉県伝統的手工芸品
1.岩槻人形(江戸木目込人形)
2.岩槻人形(雛人形)
3.春日部桐箪笥
4.春日部押絵羽子板
5.春日部桐箱
6.小川和紙
7.鬼瓦
8.武州磨き本瓦
9.鴻巣雛人形
10.手描き鯉のぼり
11.所沢人形(雛人形)
12.所沢人形(押絵羽子板)
13.秩父銘仙
14.秩父ほぐし捺染(着尺)
15.秩父ほぐし捺染(夜具地)
16.秩父ほぐし捺染(座布団地)
17.竹釣竿
18.熊谷染(友禅)
19.熊谷染(小紋)
20.本庄絣
21.飯能大島紬
22.越谷雛人形
23.越谷甲冑
24.越谷張子だるま
25.武州正藍染(武州唐棧)
26.武州正藍染(武州型染)
27.武州正藍染(武州紺織)
28.行田足袋
29.草加本染ゆかた(本染ゆかた)
30.草加本染ゆかた(長板中型)
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